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中古住宅の購入はもう少し慎重に

投稿日:2010/11/14

最近は「リノベーション」という言葉が流行り、それを売りに販売するケースが増えています。古い住宅を再生して、新築同様であるようなイメージを与えています。
でもほとんどが表面だけの張替え、浴室、キッチンなどの交換で見た目を良くしているだけ。
新築ではないので、ある程度の劣化はありますが、放置してはいけない箇所があります。

この写真は築30年の家の床下です。
床を支える梁(大引)に割れが起きています。木材は乾燥などで割れが発生してきますので、年数が経てば、無キズの状態ではありえません。適切な補強をすればいいのですが、この状態を放置してはいけません。

また、もう一枚の写真も床下ですが、外部から水が浸入してきていて、土台が腐食してきています。どこから、この水が入ってきているかを知れば、直さなければならない箇所は判ってきます。当然、この状態を放置しておけば、重大な問題が発生してきます。

きれいになってしまった表面だけでは、このような潜んでいる問題を知ることはできませんが、床下には建物状況を知る重要な情報がたくさん、あります。

中途半端な表面だけのお化粧なら、しない方がいいです。家を長持ちさせるには、どこにお金を掛けるかが、重要になってきます。
汚れた家を見るより、綺麗な家を見た方が購買意欲をかきたてられます。それが売る側の戦略でもあります。
家を綺麗にした分の費用は当然、販売価格に上乗せされます。その内容が問題です。

一般の方が状態を見て判断することは、まずほとんど無理でしょう。そこで諦めて、エイヤ〜で決めてしまうのは、無謀なことです。
判断できる専門家に依頼することです。購入前の診断をお勧めします。ただ購入前ですから、解体調査はできませんので、すべてを診ることはできませんが、ある程度の判断はできます。
購入前には一切見せないという売主もいますが、その際は止めた方が良いと思います。
家電などの購入とは違います。もうすこし、慎重になってもいいと思います。