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建材の選択と施工方法の決定

投稿日:2017/7/23

新しい建材を使用するか否かは
設計者の選択ですが

それをどのように施工するかを
決めるかは施工者の判断になります。

性能や特異性は一般の方には
分かり難いと思います。

ですから、この選択と決定は
一般の方はお任せになります。

今回の事例は25年前の住宅で
外壁の改修工事の様子です。


金属製のサイディングを剥がすと
シージングボードと云われる
下地材が現れました。

この材料は構造補強にも使われます。

そして水にも強い、耐水性があるという
材料メーカーからの性能説明がありました。

確かに表面には水をはじく性能が
ありましたが、
決して長い年月において
その効果が継続されるとは思えない。

当時の私の判断でした。

この建物には材料メーカーの説明を
そのまま、信じて使用したと思われます。

でも
実際は水を吸っています。

何故、この下地に耐水性が必要か?
というと
サイディングからは雨水が入るからです。

これはサイディングメーカーの
施工要領書にも明確に記載されています。


今でもサイディングを施工すれば
雨水は入らない、大丈夫と思って
施工している方がたまにいます。

ここには防水性能のある
材料を施工しないとあとで問題が起きます。

まして、写真にもあるように
板金のところですき間があれば
雨水は容易に建物内部に入ります。


今回の改修では

当然ですが
木下地をすべて撤去した上で

防水性能のある
タイベックシート(商品名ですが)を
施工してから、サイディングを施工します。

改修工事では
このような重要なチェックポイントがあり

品質監理、施工監理の重要性があります。

次回は来週末に更新の予定です。