住宅診断の【エスパス一級建築士事務所】

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住宅診断の事例紹介


すがもり

投稿日:2017/1/8

今年、初めての情報発信です。
冬の時期に起こる「すがもり」のお話です。


「すがもりって、何ですか?」と
聞かれることが、結構あります。

現象からみると雨もりと同じです。
ただ、冬に起こり、原因は氷です。

毎年、起こるわけでもなく
その年の気象条件に大きく影響を受けます。

家の中に水が流れ出してきて
始めて気がつくことがほとんどです。

ご依頼を受けて、調査にお伺いした時は
無落雪屋根(スノーダクト)の場合

屋根の上に上り
横樋から縦パイプに繋がる部分を見ます。
このパイプが凍って排水できない場合が多いからです。

今回はこのパイプは凍っていませんでした。

すがもりの原因は氷です。
今回は横樋に蓋をするような形で
氷が出来ていました。

屋根面で雪が融けて、横樋に流れてきて
横樋から縦パイプに流れ、排水されていくのが
このスノーダクト屋根の構造です。

横樋に出来た氷の蓋が
屋根面で雪が融けて横樋に流れるのを
妨げています。

この結果、屋根面に水が溜まり
屋根板金のジョイント部分から水が
逆流するのが「すがもり」です。

屋根板金には勾配がついており
雨水などを排水するように造っています。

屋根板金は完全防水ではないので
水が溜まってしまうと
板金のジョイント(ハゼ)から
水が浸入することになります。

屋根に雪が積もっていて
その雪が外気温などで融けて
それが凍ることを繰り返す

このような気象条件が続く
これからの季節がとても危険な時期になります。

同じ建物でも、起きる年、起きない年があるので
注意が必要です。

ただ、「注意と云っても何を注意するの?」だと
思います。

すがもりは雨もりのように何度も起きない場合が
多いです。
すがもりかなと思ったら、すぐにご連絡ください。
雪が融けて春になったら、原因を特定するのが
難しくなります。

冬の間でも何らかの応急処置はできます。

次回は来週末に更新の予定です。